
ここに書いてあること
何百もの、CAN-Cのレビューを読み込んで、Nアセチルカルノシン系目薬の白内障への効果を知っている私や、あるいは、愛犬の白内障に悩んで同様にレビューを読み込んでいる犬の飼い主にとって、「こんなに、CAN-Cの効果があるのに、どうして、動物病院で処方してくれないのか?」と思う人もいるでしょう。本記事では、「なぜ、動物病院では、CAN-Cは使われないのか?」について考えてみました。
動物病院ではNアセチルカルノシン系目薬は使われていなさそう…
CAN-CなどのNアセチルカルノシン系目薬の販売サイトのレビューにおいて、かなり多くの「犬白内障の改善効果があった」ことが書かれているので、動物病院でもこの目薬を処方してくれてもよさそうです。しかしながら、私が、ネットで調べた限りでは、犬の白内障治療に対して、CAN-CなどのNアセチルカルノシン系目薬を積極的に処方することをサイト上で表明しているような動物病院は見つけられませんでした。
ネット上で、Nアセチルカルノシン系目薬について触れている(だけ)のは、おそらく、下記の動物病院のサイトぐらいで、とても少なく、やはり、いずれも否定的な記述となっていました。
他の動物病院のサイトでは、Nアセチルカルノシン系目薬に触れることもしていなさそうです。
さて、あなたが、愛犬の白内障を治してもらおうと、動物病院に行くと、獣医の先生は、きっと、以下のようなお決まりの対応をするんじゃないかと思います。
- あー、白内障ですね。従来薬(ライトクリーン)やサプリメントで様子をみてみましょう。
- (白内障がひどくなってきたら)、白内障手術をしてみますか? もちろん、飼い主さんに承諾いただければですが…
ここで、飼い主のあなたが
「Nアセチルカルノシン系目薬で白内障が治せるとネットで見たんですが…」
と聞いてしまうと、いつもおだやかだった獣医の先生が豹変して、「そんなもん、ウチではやらないよ!」と怒り出す、なんてことはありがちな気がします。(セカンドオピニオンを申し出たときの医師みたいに)
ド田舎の動物病院ならいざ知らず、動物病院の獣医さんは専門家ですから、日頃、治療に関する情報を収集しているはずで、また、白内障の犬はかなり多いので、患者の飼い主の方から、「CAN-Cで白内障は治るでしょうか?」と少なからず、聞かれるはずなので、Nアセチルカルノシン系目薬の存在は当然知っているに違いありません。
【推測】獣医がNAC系目薬を使わない理由とは? → きちんと診療を行っているだけです。
犬の診療の事情についてよく知らない素人からしてみると、Nアセチルカルノシン系目薬が、これほど個人輸入で盛大に取り扱われていて、多くの犬の飼い主がその存在を目にしているのに、これについて触れている動物病院のサイトがネット上に、こうも少ないのは動物病院にとって、なにか都合の悪いことがあるのでは?と勘繰ってしまいます。
以下に、獣医さんが、Nアセチルカルノシン系目薬をイヌに処方しない理由について、考えてみました。
- 理由1 同目薬が、白内障を治癒できるという根拠になっている研究論文がない(前記の動物病院のサイトで書かれています)
- 理由2 Nアセチルカルノシン系目薬という動物用医薬品に登録されていない、未承認のものを患者(犬)に処方するわけにはいかない。
- 理由3 副作用を起こすのが怖い。他の病気もある場合など。
- 理由4 動物病院は、そもそも患者(犬)にNアセチルカルノシン系目薬を使用しておらず、実績がとても少ない、あるいは、全くないので、使うのが怖い
いずれも納得ですが、なんのことはない、
「農水省に動物用医薬品として登録されていないような、未承認の薬なんて使えるわけがない」
というところが一番大きいんじゃないかと思います。
Nアセチルカルノシン系目薬が「白内障に効果がある」と、獣医の先生がうわさなどで聞いていたとしても、そんな未承認の薬で、しかも、患者(犬)の置かれた健康状態は一定でない(年齢がまちまち、犬種もさまざま、他の病気あるかもしれない)わけですから、へたに副作用でも起こされたらたまらないわけです。(ちなみに、CAN-Cは薬ではなく、潤滑剤ということになっています)
なので、患者が犬といえども、実験レベルならともかく、獣医の先生は、診療品質を保ったまま、とても多い頭数の犬を診断しなければならないので、全部にそんな未承認の薬を処方するなんて、それ以上の踏み込んだことはできるわけがない、ということなのでしょう。獣医の先生にしてみたら、きちんと、守るべきことを守っているだけなのでしょう。
トラブルを避けたい動物病院側としては、犬白内障の診療を、結果として、
- あまり、副作用がほとんど起こらない、毒にも薬にもならぬような薬(ライトクリーン、サプリ)を処方する(ことで、ごまかす)
- 他の影響をごっそり排除してしまって、まるごと目を取り換えてしまうような、白内障手術を行う。
という、実績のある手段を行うことになります。
第三の方法(Nアセチルカルノシン系目薬)があってもいいのでは…
私などは、Nアセチルカルノシン系目薬処方よりも、犬に白内障手術を受けさせる方が、(犬なのに)極めて高額な費用がかかる上に、犬に負担がとても大きいし、術後の具合が回復しないとか、よっぽど後遺症が怖い、と思ってしまいます。たとえば、飼い主がペット保険が使えるから、あるいは、お金のことは問題ないからと、白内障手術をやりたがるのは問題で、白内障手術なんて、よほどのことがない限り、愛犬に受けさせるべきではないと考えています。
そういうということではなくて、そういった手術を選ぶ前に、Nアセチルカルノシン系目薬を使うというような第3の方法があってもいいんじゃないかと思っています。