
ここに書いてあること
Nアセチルカルノシン目薬は、犬の白内障に効果がありそうだけれども、その副作用や、あるいは不具合が心配な方もおられるはずです。今回は、どのような副作用または不具合がありそうかを記事にしています。
販売サイトには、ありがちなことが書いてあるが…
Nアセチルカルノシン目薬を販売しているサイトはいくつかありますが、その副作用があるかについて、触れているショップもあります。たとえば、以下のような感じです。
- 特に副作用の報告はありませんが、異常が見られた際には直ちに使用を中止し、獣医師の診察をお受けください。(シーナック、ぽちたま薬局)
- 重い副作用の報告はありませんが、異常を感じた場合は使用を中断し、医師の診察を受けて下さい。(クララスティル、お薬なび)
- 視覚障害、目の不快感、目の痛み、目のかゆみ等(シーナック、アイジェネリックストア)
いかにも、目薬や薬を販売する際の「定型文」のようなことが書かれていて、あまり参考にならないです。
各NAC目薬の説明書を見てみると…
各NAC製品の説明書を見れば、その手の情報を開示しているかもしれないので、下表にまとめてみました。また、参考までに、NAC目薬ではありませんが、おなじみの、ピレノキシン系目薬「ライトクリーン」についても併記してみました。
商品名 | クララスティル | シーナック | キャンシー | ライトクリーン |
副作用または 該当する部分 を抜粋 | 一時的な 視覚障害 (かすみ目) | 説明書 には 記載 なし。 | 1%ぐらいの 人には刺す ような痛みが あるかも しれない。 点眼による刺激 は稀で、使用に より収まって くる場合もある | ・本剤の投与により、 眼瞼炎、結膜充血、 流涙を起こす ことがある。 ・副作用が認められた 場合には、投与を中止 するなど適切な処置 を行うこと。 |
上表をみるとわかるのですが、キャンシーが最も詳しめに書かれていて、クララスティルは簡単に記載がありました。また、シーナックの説明書にはその手の情報は見当たりませんでした。つまり、まともなことが書かれているのは、キャンシーだけ、という印象です。
ちなみにライトクリーンは動物用医薬品だけあって、きちんと書かれていました。
これらNAC目薬は、厳密にはそれぞれ微妙に成分が違うのですが、これらを見て、キャンシーでの表記が代表的なものとすると、ごく一部の人(犬)で点眼時に刺激があるケースもあることを伺わせます。
実際の副作用は、どんなものか?
前記は説明書の話でしたが、実際、使用しているケースを見てみましょう。
キャンシーのレビュー(拙著(下記)による)を詳しく見てみると、少ないですが、一定の割合で、副作用というか、犬の目に合わないというケースが見受けられるようで、前記の説明書の書かれている副作用の症状に一致するようにも思えます。したがって、同様な成分である、他のクララスティルや、シーナックでも同じようなことが起こる可能性があると考えるべきでしょう。
ライトクリーンは動物用医薬品だし、いかにも安全な印象がありますが、農林水産省の同製品の登録ページに副作用の事例が掲載されていて、まったく副作用がないわけではないのがわかります。
副作用は確かに警戒すべきものですが、最初っから、副作用があるからと全く遠ざけてしまっては、改善のチャンスを逃す可能性もありますので、状況をみながら使っていくのが賢明ではないかと私は思います。犬用の眼のサプリメント「ぱっちり」であっても、レビューには、服用したら、目が赤くなった、おなかが緩くなったのでやめた、というケースがありました。