
ここに書いてあること
ヒトや犬の白内障を改善する薬効成分として、Nアセチルカルノシン以外に、近年、「ラノステロール Lanosterol」というものが注目されています。本記事では、その概要をまとめてみました。
ラノステロールとは?
wikipediaによれば、ラノステロールは、動物や菌類に広く存在するステロイド、トリテルペノイド、とあります。化学構造式は、下記となっています。

ラノステロールに関する主な研究論文など
Zhaoらは、Nature誌に以下の内容の論文を発表し、ラノステロールが白内障改善に効果がある可能性を示しました。
摘出したウサギ水晶体を 25 mM ラノステロールに 6 日間浸すことで混濁が改善されること,ラノステロールをイヌの硝子体に投与することにより,in vivo 条件下においても一度混濁した水晶体が透明化することを見出した
どうやら、この論文がきっかけで、ラノステロールの期待が一気に高まったようです。
これを確かめるために、ヒトの水晶体での追試実験をShanmugamらが、行っていますが、ラノステロールが白内障を透明化できなかったと発表しています。

このように期待されたラノステロールですが、なかなかうまく追試できていないようです。