
ここに書いてあること
薬には、通常の薬ともいえる新薬(先発医薬品)がありますが、これに対して、ジェネリック(後発医薬品)というものがあります。ジェネリックは新薬とほぼ成分が同じで、値段も安く供給されていますが、本記事では、犬の白内障目薬の観点で、ジェネリック薬はどのようなものか、何か問題がないのか、について書いていきます。
Nアセチルカルノシン目薬のジェネリック薬?
ここで念頭においているのは、本サイトのテーマである「白内障の目薬」の、Nアセチルカルノシン目薬のことです。Nアセチルカルノシン目薬で、日本で(輸入で)入手できるのは、次の3つぐらいのようです。
- キャンシー、クララスティル … 新薬の位置づけ
- シーナック … ジェネリックの位置づけ
それぞれの商品の販売サイトでの売り文句の中に、その商品が「ジェネリック」かそうでないかが書いてあったりするのですが、あまり、はっきりしないのですが、上記のような位置づけになっているように思います。
そもそも、ジェネリック薬とは何なのか?
第一三共株式会社によると、ジェネリック医薬品について以下の説明があります。但し、これは、ヒト向けの医薬品の話です。
- ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、 厚生労働省の認可を得て製造販売される、新薬と同じ有効成分を含む医薬品です。
- 規定の試験により、厚生労働省の認可を得て、その効果の同等性が認められています。
- 新薬と同じ有効成分のお薬です。また、新しい技術で、味や飲み易さ、使用感が改良されたものもあります。
- ジェネリック医薬品は患者さんの自己負担軽減とわが国の医療費の効率化にも繋がり、社会的にも期待されています。
- 新薬より低価格で、患者さんの自己負担を軽減します。
私の場合、ジェネリック医薬品というと、ただ、「新薬と同じような成分で、安い薬」だけ、というイメージしかないのですが、上記の説明をみると、ずいぶんと、そのイメージとは異なることがわかります。
Nアセチルカルノシン目薬にジェネリックもなにもない
上記のヒトのジェネリック薬の定義によれば、「厚生労働省の認可云々」がまず必要とありますが、動物医薬品の場合、これが農林水産省の「認可」ということになるのだと思います。本サイトで取り上げているNアセチルカルノシン目薬は、そもそも、いずれの薬も、日本の農水省の動物用医薬品の登録がありませんし、Nアセチルカルノシン目薬自体も登録がないのですから、「ジェネリックの定義」に全くあてはまらないように思います。
また、そもそも、キャンシーは、商品を「目薬」ではなく、「潤滑剤」として販売しているので、薬でないキャンシーに対して、シーナックが、「ジェネリック薬」であると名乗ることができるのかどうかも不明です。
結論として、Nアセチルカルノシン目薬に対しての「ジェネリック」かどうかの議論は、そもそも、議論ができないもので意味がなさそう、と私は理解しました。