
ここに書いてあること
NAC目薬で、犬の白内障がどこまで改善するのでしょうか? NAC目薬は犬白内障への改善効果があるようですが、「スーパー万能薬」ではないので、魔法のようにすべての犬白内障を治してしまうわけではありません。このあたりのことを記事にしています。
キャンシーで「全犬(全員)」が「完全」に治るわけではない
不幸にも愛犬が、白内障で目が見えない状況だと、キャンシーなど、NAC目薬への期待が高まりすぎる、ということがありがちだと考えています。
犬の飼い主さんの期待は「完全に白内障が治る」こと(だけ)だと思いますが、実際には、改善できたとしても、期待に反して、
- 白内障進行防止ができた(が、治らなかった)
- 目の濁りが少なくなったが、完全にはなくならなかった、
というケースが、多々あると思います。この場合でも、以前よりも犬が見えやすくなるなど、メリットとしては大きいのですが、それでも、中には
「なんだ、完全に治らないんじゃないか!」
と、怒る飼い主さんもいそうです。これは、犬白内障手術を受けた場合でも同じような話で、手術を受けたものの合併症を起こして、結局、犬の具合が悪くなったということがあるでしょう。
軽度、初期のものはキャンシーは効きやすい?
レビューのコメント(拙著参照)だけでは、なかなか詳しいところは、わかりにくいのですが、それでも、
犬の眼が白くなり始めたので、キャンシーをすぐに使い始めた
という、「初期の白内障」の場合には、NAC目薬が効果を発揮しているように感じます。そのコメントで、愛犬の眼の濁りがなくなっていることを確認されている方もおられますが、やはり、「初期の白内障」の場合には、NAC目薬の使用で、完治に近いようなことが起こっている可能性があります。
なかには、キャンシーを愛犬に使い始めて、わずか2日で白内障が治ったという人もいたわけですが、これは、単なる偶然ではなく、日頃の愛犬の健康チェックをたえずしていて、すぐにNAC目薬を処方したことで得られた、飼い主の努力による成果だと思います。
白内障が進みすぎていると、完全には治らない様子
これに対し、容易に推測できるのは、犬の白内障が極度に進行した状態では、NAC目薬の効果を発揮できないだろうということです。犬白内障の「混濁の程度による分類」でいうところの、成熟白内障や、過熟白内障の場合には、NAC目薬は効きにくくなって、効いても濁り部分の周辺が少しだけ透明化するようなことになると、推測しています。
犬白内障手術でも同じことが言えるでしょう。
飼い主の日頃の愛犬の眼のチェックは必須
犬の白内障に限らず、毎日の愛犬の健康チェックは、飼い主の義務でしょう。愛犬の異変に気づいたらすぐに対応することが、とても重要です。