
ここに書いてあること
「犬の白内障が治るのか?」について考えてみたとき、以下の観点があると私は考えています。↓
- 手術編
- 目薬編
- サプリ編
- 放っておくとどうなるのか?
既に、手術という観点から「犬の白内障が治るのか?」について、記事にしていますが、今回は、「目薬編」です。つまり、「目薬で犬の白内障は治りますか」ということについて書いてみます。本サイトにおいては、この内容は繰り返しになってしまうのですが、まとめということで改めて書いてみます。
獣医曰く、目薬では白内障は治らないと言っているが… → ピレノキシン目薬
ネットを見ているとわかるのですが、専門家である動物病院の獣医さんは犬の白内障の治療について、たいてい「目薬では治らない」と述べています。ここで獣医さんが言っている目薬は、昔からあるピレノキシン系目薬のライトクリーンのことを指しています。
ライトクリーンは、「イヌ老年性初発白内障進行防止剤」なので、白内障を改善する効果は期待できないです。なんせ、「進行防止剤」って表記してあるくらいですから、白内障は改善しないし、進行防止ということ自体も微妙な効果なので、果たして進行防止になっているかも判別が難しいものになっています。
獣医の先生は、数多くの患者(犬)へのライトクリーンの処方の経験があるので、その、白内障への効果のなさを十分にご存じのことでしょう。「先生! この目薬でウチの犬の白内障は治らなかったんですが?(怒)」なんてことも言われる場合もあるのではと思っています。
獣医さんが処方できる、農林水産省認定の動物用医薬品といえば、犬の白内障の目薬はライトクリーンぐらいしかないのです。あるいは、眼のサプリメントというものも紹介されるのかもしれないです。
白内障の治療といえば、「白内障手術」ということになっているようなのですが、患者(犬)によっては手術を受けることは不可能という場合には、目薬では白内障が治らないとわかっていても、このライトクリーンでなんとか様子を見てもらうということになるのです。
白内障が治る目薬、NAC目薬の登場
前記のように従来から処方されてきたピレノキシン目薬とは違って、Nアセチルカルノシン目薬というものが最近登場しています。これは、ライトクリーンとは違って、白内障改善が期待できるとされているものです。Nアセチルカルノシン目薬の代表は、キャンシーですが、著者のデータによれば、過半数の犬で改善効果が出たというデータがあります。ここではくどくなるので、これ以上触れませんが、拙著を出版しておりますので、参考にしてみてください。→ こちら。
Nアセチルカルノシン目薬は、実は、農林水産省の動物用医薬品の登録などはありません。目薬の動物用医薬品の認定状況、白内障への効果、動物病院での処方の有無については、以下のようになっています。
目薬の種類 | 動物用医薬品の 認定の有無 | 白内障への効果 | 動物病院での 処方の有無 |
ライトクリーン (ピレノキシン目薬) | 認定あり | 白内障は改善しない、 進行防止のみ | 処方している |
キャンシー (Nアセチル カルノシン目薬) | 認定なし | 白内障の改善が 期待できる | 大抵処方する ことはない |
目薬→動物用医薬品の方は効果がないが、潤滑剤は効果あり、という逆説的な結果
前記の表を見るとわかるのですが、動物用医薬品であるライトクリーンの方は白内障への改善効果は見られないのですが、逆に、同認定のないキャンシーの方が白内障への効果が期待できる、という逆説的な結果になっていて、とても興味深い内容になっています。
犬の白内障をなんとかしたいと思っているけれど、動物病院や旧来の情報源からしか情報をとっていないような人の場合、目薬では治らない、と教え込まれているわけです。実際には、新しい、Nアセチルカルノシン目薬という、商品がリリースされていて、手術なんていうおおげさな方法ではなくって、必ずしも完治できるというわけではないのですが、犬の白内障を改善できる可能性が出てきたというわけなのです。