
ここに書いてあること
犬の白内障になると、初期の場合は、犬が眼が見えづらい状態になり、さらに悪化すると、見ることができなくなります。「犬が白内障になると失明してしまう」ということを皆さんも聞いたことがあるかもしれませんが、このことについて、今回は記事にしたいと思います。
白内障になると、すりガラスを見ている状態になる
「白内障になると失明する」という表現を読んだりすることがありますが、これはかなり安直な表現だと思います。これは「人は年をとると死ぬ」みたいな、ほとんど意味をなさないような表現だと考えています。
「失明する」などと聞くと、私などは、何かが目に刺さったりと、目の各器官に大変な外傷を負って目が見えなくなるというイメージを思い浮かべてしまいます。しかしながら、原因がどうであれ、「失明」とは、以前の目が見えていた状態から、見えない状態になることを指しています。それは外傷的なことや、神経にダメージを受ける場合もあるでしょう。
犬に限らず、白内障の場合は、原則的には、眼の中の水晶体が、正常であれば透明な状態なのが、白内障の発症で、白く不透明化するために、眼から入ってくる光が拡散してしまうので、網膜上で焦点を結ぶことができず、ただ、白くしか見えなくなる状態です。明るいか、暗いかしか判別できなくなるはずです。言ってみれば、すりガラス越しに外を見ても何も見えないのと同じ状態です。
また、「失明する」というと、常に真っ暗というイメージを抱きますが、白内障による失明の場合は、前述のように、明るいか、暗いかぐらいは判別できる、と推測します。
重度の白内障の場合には、単純に水晶体だけが白く濁るだけでは済まず、炎症などが併発する可能性があります。
失明しないために…
白内障は発症すると進行するケースが多いようです。白内障が極度に進行してしまうと、Nアセチルカルノシン目薬も効きにくくなるようです。犬が白内障になるのに気づいたら、Nアセチルカルノシン目薬を点眼して、進行防止などに取り組みましょう。