
ここに書いてあること
Nアセチルカルノシンの白内障への効果に関する文献を紹介していきます。今回は、マーク・バザビエフ氏による「(ごく略した邦題は)酸化ストレスの生物指標と白内障」(2014年)です。
文献名と概要
今回の論文の正式なものは以下の通りです。
かなり長い論文で、これは、同氏の過去の論文の総まとめのようなものとなっています。Nアセチルカルノシンが白内障にどのように効果があるかの、そのメカニズム、実験結果などを広範に掲載したものです。マーク・バビザエフ氏の文献ということで、キャンシーのことも取り上げられていて、キャンシーの基となっている薬液組成での実験が掲載されています。
NACで犬の白内障が治る様子
本記事は、相当長文なものなので、トピックになるもののみを紹介します。本記事で紹介するのは、犬の白内障がNアセチルカルノシン(1%)を含む薬液で溶解していく様子の写真を紹介します。
以下の3枚の写真は、犬の白内障の眼に対し、1%Nアセチルカルノシンがベースの調製液を所定の期間点眼し、白内障が溶解、低減していく様子を写真に撮影したものです。



点眼前(写真①の処理前)では、結晶状の白内障が全面に観察されていて、視力が得られない状態になっています。これに、調製液を所定の期間、点眼することで、外側から徐々に、結晶状の白内障成分が無くなっていることがわかり、視力が徐々に得られるようになっいる様子がわかります。
ここで使用している調製液とは、マーク・バビザエフ氏の論文であることから、ほぼ、現在販売されているキャンシーと同じものと考えていいでしょう。このケースでは点眼を続けて1ヵ月程度で、中央部が透明になり始めていて、わずが1ヵ月で視力回復の効果が出てきつつあることを伺わせます。