
ここに書いてあること
一般に犬に限らず、白内障は年齢を重ねると発生しやすくなる病気として知られています。犬の白内障は、何歳から起こり始めるものなのか、まとめてみました。
犬が白内障になる年齢はさまざま
こう書いてしまうと、興ざめかもしれませんが、「犬が白内障になる年齢はさまざま」です。
既に、本ブログでは、【白内障の種類】(その1) 発症年齢による分類 #A12 という記事で、白内障と年齢の関係を解説していますが、そのときの表を再掲します。↓
先天白内障 | 出生時あるいは出生後まもなく(生後6~8週齢以前)にみられる白内障です。 通常は進行が緩徐で、その他の先天性眼異常※を合併していることが多い。 ※巨大眼球、瞳孔膜遺残、第1次硝子体過形成遺残:PHPV |
若年白内障 | 生後1~6歳齢の間にみられる白内障。 外傷、糖尿病、中毒、放射線照射など特定の原因が除外される場合は遺伝性である可能性がある。 進行は通常早く、両側性であることがほとんどである。 |
老年白内障 | 6歳齢以上になってみられる白内障。 通常は赤道部皮質から始まることが多く、進行は比較的遅い。 |
犬が若い場合でも、先天白内障や若年白内障の場合には、年齢が6歳に満たないうちから、白内障を発症してしまいます。
この表で、先天白内障と、若年白内障については、遺伝的なものや、外傷性のものなどの、どちらかといえば、特殊なものが含まれるので、多くの人が心配するのは、3つ目の「老年白内障」のことを指していると思われます。
老年白内障になる年齢 → 9歳がひとつの目安
あなたの愛犬が、幸いにも、併発している病気や、先天性の異常もないのであれば、老年白内障を心配するということになります。
何歳からこの白内障が発生するのか?について、直接的なデータはなかったのですが、参考になるものとして、下図のようなアニコム損保のデータがありました。

これは、同社の顧客を対象としたデータで、白内障で保険請求のあった個体「発症した個体」とみなし、対象契約の各年齢の母集団で除した数値をグラフ化したものです。
白内障が発症しても、保険請求しない人もいる可能性もあるので、あまり正確とはいえないのですが、傾向を見るには参考になるデータでしょう。したがって発症率の数値は、あくまで参考ということになります。また、ここでは、手術実施率は無視してください。
このグラフを見ますと、犬の年齢が9歳を超えるあたりから、白内障の発症率が大きくなっているのがわかります。一般的に(老年)白内障を気を付ける年齢というのはシニアになるくらいからとよく言われていますので、前記の「9歳」ぐらいという結果は、犬のシニアと言われる年齢とおおよそ一致するといえば、一致します。
このデータの対象となっている犬がどのようなものが不明で、小型犬なのか大型犬なのか、どんな犬種なのかが一切わからないですが、平均化すると、9歳前後になったら、愛犬の白内障に気をつけ始めるのがいいという結果と考えます。